ドッグランは、犬のストレスや運動不足を解消したり、社会性を養う場所でもあります。
ノーリードで遊べるドッグランには、様々な犬や飼い主が訪れますので、犬同士や飼い主も含めたトラブルや事故が実際に起っています。
ドッグランでトラブルにあわない為に、良くある事例、原因と対策、トラブルにあってしまった時の対応や不測の事態に備えてやっておくべきことをまとめました。
ドッグランで良くあるトラブル事例とは

愛犬が他の犬に噛み付かれた
攻撃性の高い犬が愛犬を噛んだり、臆病な犬が恐怖の裏返しで愛犬を噛んでしまう、といったような事例や、犬同士の遊びがエスカレートして喧嘩に発展し、愛犬が他の犬に噛み付かれる、という事例などがあります(対処法はこちら)。
愛犬が他の犬に噛み付いた
愛犬が他の犬からしつこくされたり、マウンティングされたりして、我慢の限界を超えると、他の犬に噛み付く場合もあります。威嚇をこめた甘噛み程度なら良いですが、何度も強く噛んだり、大型犬が小型犬を噛んだ場合などは、大怪我になることもあります(対処法はこちら)。
愛犬が他人に噛み付いた
愛犬が他のワンちゃんと喧嘩になり、相手の飼い主さんが仲裁に入った時に、愛犬がその人を噛んでしまい、怪我をさせてしまったという事例もあります(対処法はこちら)。
飼い主が他の犬に噛まれた
愛犬と他のワンちゃんが喧嘩している場面で仲裁に入り、相手の犬から飼い主さんが噛まれる事例もあります。小型犬でも本気で噛まれた場合は、大怪我になる可能性が高いです(対処法はこちら)。
トラブルの原因

犬の社会化やしつけが出来ていない
犬の社会化とは、日々の生活の中で色々なことを経験し、学びを通して社会に順応していくことを指します。
毎日きっちりとお散歩に行き、色々な犬や人との出会いなどを通じて、犬は社会化されていきます。
社会化が十分できていないうちにドッグランへ行くと、他の犬とうまく遊べないばかりか、知らない犬や人を見て攻撃的になったり、喧嘩に発展したりします。
また、日頃から呼び戻し(犬の名前を呼んで飼い主の方に戻ること)等のしつけが出来ていないと、ドッグラン内で愛犬を制御できません。
おやつやおもちゃの持ち込み
おやつやおもちゃの持ち込みについては、禁止しているドッグランが多いです。なぜなら、おやつやおもちゃの取り合いで犬同士の喧嘩に発展することが多いからです。
おやつやおもちゃが許可されている場合でも、他の犬が少ない時に利用するなど、飼い主さんが周りの状況を判断しながら使うようにして下さい。
一人で一度に制御できない頭数を連れてくる
ドッグランでは、飼い主さん一人あたりの犬の頭数を制限している場合がよくあります。一般的に、飼い主が制御できる犬の頭数は2頭までであり、1人あたり1〜2頭までに制限しているドッグランも多いです。
多頭飼の飼い主さんがドッグランを利用する場合は、1頭のみフリーにして後はリードを付けたままにするとか、周りに配慮が必要です。
また、3頭以上の犬を一斉に開放して遊ばせている飼い主がいる場合は、しばらく様子を見てからでも遅くありません。周りの犬と楽しく遊んでいるようであれば、大丈夫でしょう。
トラブルへの対策

ドッグランに入る前に中の様子を観察する
ドッグランに入る前に、中で遊んでいるワンちゃんたちの様子や、飼い主さんたちの様子を観察しましょう。
ワンちゃんたちが和気あいあいと遊んでいる状況であれば良いですが、中には興奮した犬同士が喧嘩をしていたり、攻撃的なワンちゃんが見受けられる時は、少し様子見して下さい。
せっかく来たんだからと無理して入ることはせず、愛犬の安全を最優先に考えて下さい。
愛犬をできるだけ落ち着かせてから入場する
ドッグランに到着したばかりの時は、犬も早く遊びたくて興奮している場合があります。興奮状態で中に入ると、他のワンちゃんたちに興奮が伝わり、喧嘩に発展することもあります。
愛犬が興奮している場合は、ドッグランの近くを軽く散歩するなどして、落ち着いた状態にしてから入場するようにしましょう。
ドッグランに入ってもリードをすぐに外さない
ドッグランに入ると、他のワンちゃんたちが愛犬にあいさつしに寄ってくる場合が多いです。初めて会うワンちゃんと対面し、トラブルに発展しそうになった場合にすぐに愛犬を制御できるよう、リードは付けたままにしておきましょう。
犬同士のあいさつが終わると、他のワンちゃんはまたドッグランの中の方へ移動しますので、そのタイミングでリードを外すと良いでしょう。
ドッグランでは首輪やハーネスは付けたままにする
ドッグランで首輪やハーネスも外してワンちゃんを遊ばせている飼い主さんがたまにいますが、外すのはリードだけにしましょう。
何かトラブルなどがあって、愛犬を制止したり喧嘩を仲裁する必要があった場合、首輪やハーネスを付けていないと制御しにくいので、付けたまま遊ばせて下さい。
ドッグランのルールを厳守する
ドッグランにはそれぞれルールが定められていることがほとんどですので、事前に利用規約等を確認しておきましょう。
おもちゃ持ち込み禁止のドッグランで、ボール投げなどをして犬同士の取り合いになり、喧嘩やトラブルに発展することは良くあります。
小型犬用のおもちゃを大型犬(特にパピー)が誤飲してしまい、大掛かりな手術が必要になり、訴訟に発展して高額な賠償金が必要になったケースもあります。
また、ヒート中の雌犬については、ほぼ全てのドッグランで利用が禁止されています。
事前に公式サイトで利用規約を読んでおくか、ドッグランの現地に利用規約の看板が掲載されているはずですので、入る前に確認しておきましょう。
愛犬から常に目を離さない
ドッグランに入ると、犬同士の挨拶だけでなく、飼い主さん同士も挨拶することがあると思います。お知り合いの方がいる場合は、そのまま飼い主さん同士で話し込んでしまう場面も良く目にします。
飼い主同士でコミュニケーションをとるのは大変良いことですが、くれぐれも愛犬からは目を離さないようにしましょう。愛犬がマウンティングや威嚇をしたらすぐに止めに入り、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
愛犬から目を離さないだけでなく、飼い主は常に動き回り、愛犬との距離が離れすぎないようにしましょう。
愛犬のサイズに合ったエリアを利用する
ドッグランの多くは、犬の大きさに合わせて複数のエリア分けがされています。小型犬エリアと中大型犬エリア、小型犬エリアとフリーエリアなど、小型犬の専用エリアが設けられている場合が多いです。
フリーエリアはどの大きさのワンちゃんも利用できますが、多くの大型犬が走り回っている場合は、万が一衝突した場合に怪我をするのは小型犬の方ですので、飼い主さんが良く状況を判断してから利用して下さい。
ドッグランの利用とは別に日々の散歩はしっかりと行う
ドッグランを利用する日は散歩に行かないとか、散歩の代わりにドッグランを利用しているケースもありますが、あまりおすすめできません。
通常は朝晩2回の散歩に行かれると思いますが、犬は散歩を通じて外のいろんな匂いをかぎ、脳が活性化されたりストレスを解消したりしています。
それに対して、ドッグランは囲われた空間の中で思いっきり走れる運動場所であり、他の犬と遊べる交流場所でもあります。基本的に日常の散歩とは目的や効果が異なります。
日々の散歩をしっかりと行い、ドッグランは愛犬の社交場や運動場として利用しましょう。
トラブルにあったときの対応

愛犬が他の犬に噛まれて怪我をした場合
噛み付いた犬も噛まれた犬も、少なからずパニックや興奮状態になっていますので、再度トラブルが起こらないよう、一旦犬同士を引き離して下さい。
噛まれた箇所を中心に、傷の有無や程度を確認して下さい。傷が深い場合は、できるだけ歩かせないようにして下さい。
犬の口内は雑菌が多いので、傷口から感染症になったり化膿する可能性があります。速やかに傷口を水で洗い流して下さい。水道が近くにない場合は、飲水などでも構いません。
普段の生活圏で噛まれた場合は、かかりつけの動物病院へ連絡し、速やかに連れて行って下さい。旅行先等での事故なら、近くの動物病院へ連れていきましょう。可能であれば、噛んだ犬の飼い主さんにも同行してもらって下さい。
愛犬の治療費を請求できるように、相手の飼い主の連絡先は必ず聞いておきましょう。氏名や電話番号だけでなく、住所も聞いておきましょう。
本来は噛んだ犬の飼い主に保健所(もしくは動物愛護センター)への連絡義務がありますが、パニック等で連絡が漏れる可能性もありますので、噛まれた方からも連絡することをおすすめします。保健所へ状況を説明することで、今後の対応方法も教えてくれると思います。
相手が連絡先を教えないなどの謝罪や誠意が感じられない場合、人間同士のトラブルに発展しそうな状況であれば、速やかに警察に連絡して下さい。
全て治療が終わった段階で、治療費を中心にかかった費用を相手に請求しましょう。話し合いが付かなかったり揉めるような場合は、弁護士などに相談することも選択肢の1つです。不測の事態に備えて、保険等の見直しをおすすめします。
様々なケースがありうるので、上記手順が全てに対応できる訳ではありません。最低限の目安としてお考え下さい。
愛犬が他の犬を噛んで怪我をさせた場合
愛犬が噛まれた時と同じですが、双方の犬は少なからずパニックや興奮状態になっていますので、再度トラブルが起こらないよう、一旦犬同士を引き離して下さい。
まずは相手の犬を気遣い、飼い主さんに謝罪して下さい。相手の犬が挑発してきたために愛犬が噛んだ場合でも、最終的には噛んだ犬の飼い主が責任を取る必要があります。
飼い犬が噛んだ場合は、保健所(もしくは動物愛護センター)に速やかに連絡する必要があります。犬を噛んだ場合と人を噛んだ場合で処理は異なりますが、条例に基づいた手続きが必要になります。具体的な手続内容については、保健所の指示があるはずです。
噛まれた犬を動物病院へ連れて行く際に、可能であれば同行して下さい。治療費の支払いはもちろん必要ですが、傷の程度や今後の治療方法など、双方が共通認識を持っておくことで、お金に関するトラブルは起こりにくくなります。
相手の犬の治療が完了した時点で、治療費やその他かかった費用を支払いましょう。怪我の程度が大きく、手術等が必要な場合は、治療費も高額になります。不測の事態に備えて、保険等の見直しをおすすめします。
様々なケースがありうるので、上記手順が全てに対応できる訳ではありません。最低限の目安としてお考え下さい。
愛犬が他の飼い主を噛んで怪我をさせた場合
優先すべきことは、怪我をした飼い主さんの救護が第一優先です。まずは近くの病院やかかりつけ医などへ行きましょう。お互いに犬を同伴した状態ですが、病院へは犬の同伴はできませんので、そこは臨機応変に対処する必要があります。
愛犬が人を噛んだ場合、事故発生から24時間以内に保健所(あるいは動物愛護センター)へ事故発生報告書を提出する義務があります。各自治体の条例によって定められたルールがありますが、保健所へ連絡した時点で指示等があるはずです。
愛犬が人を噛んだ場合、事故発生から48時間以内に動物病院へ連れていき、愛犬が狂犬病にかかっていないかどうかを獣医師に検診して貰う必要があります。これも各自治体の条例によって定められています。
怪我をした飼い主さんの治療が完了した時点で、治療費やその他かかった費用を支払いましょう。怪我の程度などによって高額になる可能性もあります。不測の事態に備えて、保険等の見直しをおすすめします。
様々なケースがありうるので、上記手順が全てに対応できる訳ではありません。最低限の目安としてお考え下さい。
自身が他の犬に噛まれて怪我をした場合
犬に噛まれた場合は、速やかに病院で治療してもらいましょう。犬の口内は雑菌も多く、傷口から感染症にかかる可能性もあります。大したことないと
本来連絡すべきなのは、噛んだ犬の飼い主さんの方ですが、パニックになっていたり連絡が漏れる可能性もありますので、被害者側からも保健所への連絡をしておきましょう。
日本では現在発生のない狂犬病ですが、発症したらほぼ100%死亡する怖い病気です。条例等で48時間以内に狂犬病検査をするように定められているのは、そのためでもあります。相手の飼い主に検診するようにこちらからも促しましょう。
全て治療が終わった段階で、治療費を中心にかかった費用を相手に請求しましょう。話し合いが付かなかったり揉めるような場合は、弁護士などに相談することも選択肢の1つです。不測の事態に備えて、保険等の見直しをおすすめします。
様々なケースがありうるので、上記手順が全てに対応できる訳ではありません。最低限の目安としてお考え下さい。
不測の事態に備えてやっておきべきこと

ドッグランを利用する上で、自身や愛犬が様々なトラブルに遭う可能性があります。どんなに注意していても、不測の事態は起こりうるからです。
万が一トラブルに遭ってしまった場合、当事者(加害者)と被害者の間で揉めることは良くあります。
考えられるケースとしては、以下のような事例があげられます。
このような事例の場合、自分だけでは解決できないほどこじれてしまったり、高額な賠償金が発生してしまうこともあります。
訴訟や相手との交渉が必要な場合は、弁護士にまかせてしまうのも1つの方法です。また、高額な賠償金等は個人賠償責任保険で賄える場合があります。
自動車を所有していて自動車保険に入っている場合は、ご自身の契約内容を確認してみて下さい。
自動車保険の「弁護士特約」と「個人賠償特約」でカバー
「弁護士特約」と「個人賠償特約(日常生活までカバーしたもの)」が保険に付帯されていれば、訴訟や賠償でかかる費用を保険でまかなえる可能性が高いです。
自動車保険の場合、「弁護士特約」と「個人賠償特約(日常生活までカバーしたもの)」を特約として付帯できる保険会社はいくつかあります。
記事執筆時点では、下記の保険会社は付帯できるようです。
- ソニー損保
- アクサダイレクト
- あいおいニッセイ同和損保
- 三井住友海上
- 損保ジャパン
- 東京海上日動
その中でも自分にあった自動車保険を探すには、下記の自動車保険一括見積もりを利用するのが便利です。
まとめ

ドッグランは、愛犬のストレスや運動不足の解消、社会性を養うための社交場でもあり、犬と飼い主にとってとても楽しい場所です。
まずは飼い主がしっかりとルールを守り、愛犬とドッグランを楽しんで下さい。